コレクチム軟膏 新しいアトピー性皮膚炎治療薬~ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏との違い~

疾患-薬剤

 コレクチム軟膏は新しい作用機序のアトピー性皮膚炎の薬

コレクチム軟膏は、今までのアトピー性皮膚炎の治療薬(塗り薬)とは異なる作用機序の薬で、外用ヤヌスキナーゼ阻害薬と呼ばれる塗り薬です。

コレクチム軟膏が皮膚炎を抑える、この新しい仕組み(ヤヌスキナーゼ阻害)を、誤解を恐れずに簡単に説明すると 掻くと悪くなるサイクルを止める仕組み です。

アトピー性皮膚炎に限らず、虫刺されでも、何でも皮膚トラブルの際には「掻くと悪くなるから、掻かんようにしなさい」と誰しも幼少期に1度や2度は言われた事があると思います。
大雑把に言うと ヤヌスキナーゼ阻害薬は、この仕組みを止めてくれる薬です。
掻いてしまっても炎症やかゆみがひどくならないようにすることで、アトピー性皮膚炎を治療してゆく薬剤です。


※画像は製薬会社(鳥居薬品)作成の コレクチム軟膏をお使いになる方へ(第3版)より引用

いままでの薬との違い(ステロイド外用薬や、タクロリムスとの違い)

ステロイド外用薬は、今起きている皮膚炎を短期集中で抑えるのに非常に適した薬剤です。しかし、長期連用には向かないケースもりますので、こういったケースではコレクチム軟膏が役に立てると考えられています。

また、タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)も皮膚炎を抑えてくれる薬剤ですが、人によっては塗った際にピリピリとした刺激感が出ることがあります。コレクチム軟膏では、目立った刺激感は報告されていませんので、こういったケースでも役に立てると考えられています。

 

だからこのように使ってください

コレクチム軟膏は、ステロイド外用薬や タクロリムス軟膏 の代わりになる薬剤というよりは、
アトピー性皮膚炎の治療の目的地である「かゆみや皮膚炎が気にならずに日常生活を送れること」 に向かうための 手段・武器が1つ増えたという認識で活用してゆくと良いでしょうね。

皮膚科医が、患者さんそれぞれの現在の皮膚の状態に応じて薬を選んで指示してくれますので、その通り使用するよう、よろしくお願いいたします。

アトピー性皮膚炎の治療の3大原則は「薬物療法」「スキンケア」「原因除去」です。
新薬が出てもこれに変わりありません。
スキンケアと、原因除去 も引き続き忘れず行ってください。

製品情報

最後に製品の情報を製薬会社(鳥居薬品)の資料から確認して終わりにします。

塗布回数は1日2回

塗る回数は1日2回です。
コレクチム軟膏0.5%が成人用
コレクチム軟膏0.25%が小児用です。

通常,成人には,0.5%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。
なお,1回あたりの塗布量は5gまでとする。
通常,小児には,0.25%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。
症状に応じて,0.5%製剤を1日2回塗布することができる。なお,
1回あたりの塗布量は5gまでとするが,体格を考慮すること。

 

塗る量の目安は1FTUです

大人の人差し指の先端から第一関節まで出した量が約0.5gで、この量を1FTUといいます。
この1FTUで、大人の手のひら2枚分の広さに塗る事ができます。




患者さん向けパンフレット「コレクチム軟膏をお使いになる方へ」より

この患者さんむけパンフレットが非常にわかりやすくてオススメですので、スマホ等でも確認しやすいように、製薬会社(鳥居薬品)作成のパンフレットを画像化(引用)しています。

アトピー性皮膚炎の皮膚

皮膚には、私たちの体を紫外線や化学物質、細菌などの外界の環境から守るバリア機能の役割があります。
アトピー性皮膚炎は、この皮膚のバリア機能が低下し、ハウスダスト(ダニ、カビ、ほこりなど)や化学物質(化粧品、金属、消毒液など)、アレルギーを起こしやすいアレルゲンなどが侵入して皮膚の炎症を起こします。
また、かゆみを感じる神経(知覚神経)が皮膚の表面のほうへ伸びてくるため、かゆみを感じやすくなります。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能の低下と皮膚の炎症とかゆみが影響し合いながら、良くなったり悪くなったりをくり返す疾患です。
また、皮膚をかきむしることでさらに皮膚のバリア機能が低下し、皮膚の炎症が悪くなるという悪化サイクルを起こします。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療は、薬物療法,スキンケア,原因や、悪化させる因子への対策の3点が基本になります。

薬物療法

外用薬
・保湿剤
・ステロイド外用剤
・免疫抑制外用剤(タクロリムス軟膏)
・外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

スキンケア

入浴やシャワーで汚れを落とし、皮膚の清潔を保ち、保湿してうるおいを保つ。

原因や、悪化させる因子への対策

原因や悪化となる因子をみつけ、可能な限り取り除く。
悪化の因子:汗、ストレス、ハウスダスト(ダニ、カビ、ほこり)、化学物質(化粧品、金属、消毒薬)、紫外線、アレルゲンなど

コレクチム軟膏とは

コレクチム軟膏は薬物療法の外用薬の1つで、外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と呼ばれる塗り薬です。

アトピー性皮膚炎の治療に使われているステロイド外用剤や免疫抑制外用剤とは異なる作用機序でアトピー性皮膚炎の症状を和らげる新しいお薬です。
アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。
サイトカイン(IL-4,13,31など)が、免疫細胞や神経にある受容体という受け皿に付くと、JAKなどのシグナル経路が活性化され、炎症やかゆみを引き起こします。

コレクチム軟膏は、皮膚から浸透し、細胞内のJAK経路から伝達される炎症を引き起こすシグナルをブロックすることで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。

コレクチム軟膏の塗り方

・成人の場合、0.5%製剤を1日2回、患部に適量を塗ります。
・小児の場合、0.25%製剤を1日2回、患部に適量を塗ります。症状に応じて0.5%製剤を1日2回、患部に適量を塗ることができます。0.5%製剤で症状が改善した場合は、0.25%製剤に切り替えることがあります。
・1回に塗る量(適量)は5g(チューブ1本)までです。
・1回に塗る量は体表面積の30%までを目安としてください。
・製剤の選択や薬を塗る部位、範囲については医師・薬剤師の指示に従ってください。

ティッシュが皮膚につく、または皮膚がテカる程度を患部に塗ってください。

1FTUで大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。

患者さんの手のひら1枚分の塗布量が、おおむね体表面積の1%への塗布量になります。

1、次のような場所には使わないでください。
・粘膜(眼や口、鼻の中など)
・皮膚の傷やただれ、アトピー性皮膚炎以外の炎症や感染症のある部位

2、万一、眼に入った場合は、すぐに水で洗い流してください。

3、お薬を塗ったところに赤または白の小さな吹き出物や、ニキビができることがあります。
気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師に相談してください。

4、4週間(約1カ月)塗り続けても症状が改善しない場合は、医師に相談してください。

コレクチム軟膏を使用する際の注意

これまでに、この薬に含まれる成分で過敏症のあった方は、お使いにならないでください。

コレクチム軟膏を塗り忘れた場合
・決して2回分を一度に塗らないでください
・塗り忘れに気が付いた時に「1回分」を塗ってください
・ただし、次に塗る時間が近い場合は、あらかじめ決められていた次の時間に「1回分」を塗ってください。

コレクチム軟膏の副作用について

次のような副作用が出る場合があります。
・毛包炎(赤い発疹など)
・紅斑(赤くなる)
・ざ瘡(ニキビ症状)
・刺激感(ピリピリ感など)
上記以外にも、カポジ水痘様発疹、単純ヘルペスなどの副作用が出る場合がありますので、気になる症状がある場合には、医師または薬剤師に相談してください。

アトピー性皮膚炎の外用治療の意義

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりをくり返す疾患です。
治療を続けてアトピー性皮膚炎の症状が良くなっても、目に見えない炎症が皮膚の奥に残っていることがあります。
自己判断で中断せず、医師の指示に従って一定期間塗り続けることが大切です。

<引用終わり>

※掲載している情報は当ページ作成時点での情報です。
当ページの情報のみを参考にせず、実際には 処方医や かかりつけの薬剤師の指示に従ってください。

筆者:薬剤師-五十君 壮平 (Isogimi Sohei)

 

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