薬剤師のアドバイスにより、ランソプラゾールによる薬剤性の下痢が改善した事例がありましたので、ご紹介いたします。
当薬局の実例(イキミ薬局港晴北店)
イキミ薬局港晴北店にて 処方箋を持って来局された患者さんから薬剤師へこのような相談がありました。
※今回の処方内容(初処方)
ビオフェルミン錠剤 3錠 (整腸剤)
エクセラーゼ配合錠 3錠 (消化酵素剤)
1日3回毎食後
お医者さんに相談したら、「薬の副作用ではないと思うけど、薬局でも聞いてみて」と言われたんです…。
イキミ薬局港晴北店で 調剤してお渡ししている薬と お薬手帳の併用薬を確認した所、
他院から メロキシカム(痛み止め)とランソプラゾール(胃薬) が出ている事がわかりました。
胃薬のランソプラゾールによる下痢の可能性があります。
他の患者さんでも、ランソプラゾールによる下痢の事例は報告されています。
ランソプラゾールは、痛み止めの副作用予防で出ている薬ですね。
胃は、痛みも不快感も何もないから、一旦中止してみようかな…。
~後日~
前に相談させてもらった後、胃薬のランソプラゾール中止したんです。
そしたら、あんなに悩んでいた下痢が すっかり良くなりました。
胃もなんともありません。
ありがとうございます。
良かったですね。
また、何か薬や体調で困った事があれば
いつでもご相談くださいね。
その後、下痢症状に対して処方されていた ビオフェルミン と エクセラーゼ も中止することができました。
今回、薬剤師のアドバイスにより
・ランソプラゾール
・ビオフェルミン
・エクセラーゼ
の3剤の減薬に成功しました。
治りにくい下痢の時は薬剤師にもご相談下さい
お薬手帳はぜひ活用ください。
お薬手帳をお持ちいただければ、他院(他薬局)から出ている薬についても確認することができます。
イキミ薬局は、薬のプロとして今後も地域の患者さんを支えてゆきますので、何か体調や薬で困った事があれば、お医者さんに相談するとともに、薬剤師にもぜひご相談ください。
最後に注意点
患者さんによっては、胃薬のランソプラゾールは中止しないほうが良い場合もあります。また、ランソプラゾール が、必ず下痢の副作用を起こす薬という訳でもありません。
当ページにかかれた情報のみで判断せず、個別の内容については医師や かかりつけの薬局・薬剤師へご相談ください。
考察(専門用語多め)
薬剤性腸炎の原因薬剤として
・抗生物質
・NSAIDs
・ランソプラゾール
・チクロピジン
・カルバマゼピン
等がよくあげられている。
併用薬の メロキシカム はCOX-2選択制が高いので今回の下痢の原因薬剤となっている可能性は低い。
[関連文献] 栄養サポートチームが介入しランソプラゾール投与中止により慢性下痢症状が改善したCollagenous Colitis の1例
上記文献の報告等からも考えて、今回はランソプラゾールが原因薬剤となっている可能性が高いと判断。
ランソプラゾール等による薬剤性下痢の主症状は、長時間持続する 下血を伴わない頻回の水様性下痢。
腹痛、体重減少、低蛋白血症を伴うこともある。
(上記文献より)
高齢者の人口が増え、高齢者が複数の疾患をもち、数種類の薬剤を服用しているケースが多くなりました。
血便を伴わない慢性の水様性下痢で、複数の薬剤服用歴がある場合は薬剤に起因する薬剤性下痢も疑いながら、患者さんから聞き取りを行うことが重要である。
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